『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家のブログ

コントな文学『半透明人間の女』

Q.いつから半透明になった?

産まれた時から半透明。
父が透明人間で母が人間。
私は透明人間と人間の混血児なの。
ちなみに父は母含め普通に見える人間の事を非透明人間と呼んでいるわ。



Q.透明人間の父はどのような方ですか?

父からは透明でも非透明でもない半端者扱いを受けてきたわ。
悔しいけど私も透明人間を上に見てた。
上位互換ってやつ。

「父として生きざまを背中で見せて子供を育てたいけど透明だから背中見せられねぇよ」って透明人間自虐ネタを言うのが好きかなぁ…
一回も笑った事無いけど。



Q.非透明人間に対して、どのように思う?

憧れとコンプレックスを抱いてる。
やっぱり普通に見えるのが一番よ。
透明人間より下。非透明人間からも下の存在が半透明人間。



Q.半透明で何か徳した事はあったか?

徳した事は無いかなぁ…
半透明なだけで損してばかりの人生。



Q.半透明で損した事を教えてほしい。

半透明で存在感無いとか見えなかったって理由でボール遊びや体育の時間にパス回してくれなかったり、かくれんぼで見つけてくれなかったり…

存在感が薄すぎるから半透明に見えてると思ったって言われる事もあったかな…

影薄いって言われるけど実際は私本体より影の方が濃いんだよね。
これ、半透明人間自虐ネタだから笑ってほしい所。


ちなみに兄貴も半透明人間なんだけど日サロ通って日焼けしまくって少しでも濃くみえるように頑張って半透明に抗ってた時期がある。
体も鍛えて舐められないようにしていた。
色黒半透明マッチョマンの兄なの…

最近は筋トレやり過ぎた代償なのか男性ホルモン増えすぎて頭皮が薄くなってきて周りから「特に頭が半透明ですね」って半透明ハゲいじりされてる。

私も兄も半透明に振り回された人生を送ってるよ。



Q.彼氏いますか?

は?

Q.好きな人いますか?

いないけど…


「凄いタイプなんです。
透明感のある女性が本当に好きなんです。
こんなに透明感のある女性は初めてです。
一目惚れです」


「透明感のある女性が好きだからって、透明感と半透明人間は根本的に違うと思うわよ」


「出会いがナンパだから軽い男だと思うかもしれないけど本気です。
友達からで良いので宜しくお願いします」


「う~ん…お父さん、この人どう思う?」


「お父さんも居たんですか?」


「ずっといたよ、君」


「見えないけど透明感、最高ですお義父さん」


「君にお義父さんと呼ばれる筋合いねーよ」