『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!

コントな文学『停止(フリーズ)刑事・国分寺卓郎』

俺の名前は渡辺 要
世田谷通り警察署に所属する新米刑事だ。

停止(フリーズ)刑事の異名を持つ敏腕刑事、国分寺卓郎とコンビを組んだ初日に起きた事件について物語ろう。





停止(フリーズ)刑事、国分寺卓郎が語る。

「!」だけでは足りない。
「?」だけでもダメだ。

大事な事は対象者に「!?」
驚きとクエスチョンを植え付ける事だ。

そうすれば数秒だが思考と動きを止める事ができる。

思考と動きを止めるという事は対象者の時を止めるという事だ。

人は驚き、瞬時に理解できない事が起きると停止(フリーズ)するんだよ、新米刑事君。





マンションの屋上から飛び降り自殺しようとしてる若い女がいるという通報が入り俺は国分寺さんと現場に駆け付けた。


現場では警官隊が飛び降り自殺しようとしている女と周囲に群がる野次馬達の対応を始めていた。


「新米刑事君。
君は下から拡声器マイクを使って女に説得をしろ。
私が対応するまで飛び降りないように時間稼ぎをするんだ。
警官隊は飛び降り自殺防止用のエアーマットを準備してくれ」


俺は現場で指揮を取る停止(フリーズ)刑事に問うた。
「国分寺さんはどうするんですか?」


国分寺はニヤリと笑って答えた。
「ちょっと時を止めてくる」


警官2人を引き連れ国分寺はマンションの屋上に向かった…





屋上に到着するなり国分寺は女に向かって叫んだ。


「ふざけんなぁっ!
俺が先に飛び降りようと思っていたんだぞ!
どけぃっ」
国分寺は白ブリーフ一枚の姿になっていた。


女を尻目に国分寺はマンションから飛び降りた。


白ブリーフ一枚の姿でマンションから飛び降りてくる国分寺に向かって俺は拡声器マイクを通して叫んだ。

「何してんねーんっ!!!」


飛び降り自殺しようとしていた女は何が起こったのか理解できず固まっている。

そして固まっている間に女は警官隊に取り押さえられた。


「あの女の時を止めて自殺を防いだという事か・・・
こ、これが停止(フリーズ)刑事・・・」


国分寺は予測不能で想定外な行動とビジュアルで「!?」を女に植え付けたのだった。


国分寺刑事は自殺防止用エアーマットに飛び降りた衝撃でアバラにヒビが入り救急車で運ばれていった。


これが俺と停止(フリーズ)刑事、国分寺卓郎がコンビを組んだ最初の事件だ。