『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!

『今日も世界で誰かが嘘をついている。超キモい編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。超キモい編』


高校3年生で迎えたインターハイ予選。


私達女子バスケ部は県大会まで勝ち進んだが、準々決勝で1点差で敗れて最後の夏が終わった。
  

試合終了後、私達は監督と一緒に泣いた。


みんな本気で頑張ってきたから、本気で泣けたんだと思った。


いつも一生懸命で分け隔てなく厳しいけど優しくて、生徒に対する愛情が伝わってくる10歳年上の顧問の先生。


監督としても人間としても尊敬から始まった恋だった。


卒業式が終わった後、私は勇気を出して先生に告白した。


最初は「女性としては見れない、恋愛対象にならない」と断られたけど、諦めずにアタックを続けて1年後にお付き合いが始まった。


そして私の二十歳の誕生日に入籍。


私が憧れた先生は愛する旦那さまになった。



「お願いしたい事があるんだ」・・・


結婚して半年が過ぎた頃、旦那さまが真剣な表情で私に伝えてきた。


いつからこんな願望があったのかは分からない。


ずっと我慢させていたのかな?


私が幻滅しないように、ずっと旦那さまは憧れの先生を演じ続けていたのかもしれない。


とても驚いたけど、勇気を出して打ち明けてくれたんだと思ったら愛おしくも感じた。


好きだから許せるし、好きだから耐えられると思った。


夫婦だから旦那さまの全てを受け入れてあげたい。


それでも、それでもね・・・



リクエスト通り膝枕してあげて、旦那さまが全裸で赤ちゃんみたいにバブバブと私の胸を授乳しながら聞いてきた。


「ボク、キモくないでちゅか?」


・・・・・「キモくないでちゅよ♥」


『今日も世界で誰かが嘘をついている』