『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!

コントな文学『ファーストキス』

コントな文学『ファーストキス』

 
クラスメイトの亮君と付き合って3ヶ月。
デートは毎週末している。
でもまだキスはしていない。
高校3年生同士が付き合って3ヶ月よ?
さすがにもうキスしてOKでしょ。
3ヶ月付き合ったら無理矢理押し倒してキスしても文句言われる筋合いないわ・・・



絶対今日のデート中にキスしたい。
マックでお昼食べてる時も、映画観てる最中も、カフェでお茶してる時も、サイゼリヤで晩ご飯食べてる時も今日はキスの事しか考えられない。
つーかさぁ、さっさとキスしてこいよ。
こちとら1回目のデートからずっと待ってんだよ。


「凛香ちゃん、そろそろ帰ろうか」


今日もキスしないで私の家の近所まで送ってくれてバイバイするパターンなの?


「今日も楽しかったね」


人気の少ない夜道を手を繋いで歩いてんだよ?


「凛香ちゃんは来週どっか行きたいトコある?」


今日もキスしないの?


「俺はカラオケ行きたいなぁ」


ねぇ、キスしてよ。


「じゃあ、また明日学校で」


またかよ、この意気地なし!
あーあ、仕方ないなぁ・・・


「ねえ、亮君、目瞑って」


「え?」・・・



「お、俺、実はキス初めてだったんだよね」 


でしょうね。


「凛香からキスしてくるなんて思わなかったよ」


おいおいおいおいっ!
キスした途端に呼び捨てかよ。
急に調子乗ってんじゃねえよ、童貞のクセに。


「凛香は俺とキスしたくてキスしてきたの?」


ウザッ。
何、その質問?
こいつは私に何を言わせたいんだ?


「でも、まさかいきなり舌入れてくるなんて思わなかったぜぇ」


ずっとおあずけ状態だったからなぁ・・・
がっついてスマン。
そこは謝りたい。
でも、そんな恥ずかしい事言うなよぉ。


「アレ?もしかして、キスとか慣れてる?」


は?


「凛香は俺以外の男とキスした事あるの?」


今抱いてるこの感情を人は殺意と呼ぶのかな?


「あーあ、本当は今日、俺の方からキスしようと思ってたのに残念・・・
ファーストキス奪われちまったぜぇ♥」


よしっ、別れよ。