『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!

コントな文学『不謹慎』


「誰かっ、誰か来て下さいっ」


50歳前後に見えるスーツを着たおじさんが叫んでいた。
声に気付いて私と買い物中と思われる自転車に乗ったおばさんが近付くと路上でお爺さんが倒れていた。

意識が無いようだ。


「あなた119番通報お願いします。あなたはAED持ってきて下さい」


自転車のおばさんはAED を探しに行った。
私は119番通報して救急車の要請をした。


私の名前は田岡奈々美。16才の女子高生だ。


まだ16年しか生きてない私の人生で、人の生き死にに関わる場面に遭遇するのは今回が初めてだ。


スーツのおじさんは必死で心臓マッサージをしている。


それにしても、このおじさん…

眉毛細いなぁ…

眉毛が、細過ぎるよなぁ…

こんな緊迫した場合は初めてなのに…

お爺さんの意識が戻ってほしいと心から願うのに…

不謹慎ですけど、必死で心臓マッサージしているおじさんの眉毛が細すぎるのが気になっています。
すいません…


この眉毛は剃ってるのかな?
いや、抜いてる?
抜きすぎてもう生えてこないパターン?
そもそも何でおにぎりの具の昆布みたいに細くて短い眉毛なのだ?
元ヤンですか?
ビーバップ世代ですか?
それとも元ビジュアル系バンドの人?


AED持ってきました」
自転車のおばさんが戻ってきた。
私には自転車のおばさんがおじさんの眉毛を二度見したように見えた。



AEDの電気ショックでお爺さんは意識が戻った。

一安心したタイミングで救急隊が到着した。

「ぶはっ」
私は変な声を出して笑ってしまったので、すぐに咳払いをして誤魔化した。

なんと、やってきた救急隊員の男が「セミの脱け殻貼り付けとんかいっ」てツッコミたくなる程に立派で存在感のある眉毛だったのだ。

夢のコラボ(笑)

重ね重ね不謹慎ですいません…



頭がボーっとする…

ワシは意識を失っておったのか…

ん?

眉毛細い奴がおるのぉ…

眉毛細過ぎて気持ち悪い奴やのぉ…

女子高生もおるのぉ…

もう少し近寄ってきてくれたらパンツ見えそうじゃのう…

この娘のパンツ見たいのぉ…

こんな状況でワシは不謹慎じゃのう…

あ!救急車から、すんごい眉毛太い奴が来た。