『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!

コントな文学『問3 需要と供給を説明しなさい』

山田哲也 38才。
全国におよそ80万人。
12番目に多い名字の山田です。


ところがネットで検索すると女性から人気の無い名字ランキング1位は山田なのです。

・いまだにドカベンいじりされる。
・田舎臭い。
・ナメられる。
・記入例の名前に使われているから嫌。
・平凡過ぎる。
・ダサい。

このような意見が多数あるのだ。


お付き合いしていた女性にプロポーズしたら山田になりたくないという理由で断られた事もあった。

それがトラウマで未だに俺は独身だ。

しかし40歳までには結婚したい。


山田という名字が足を引っ張るならこの際、女性側の名字を名乗っても良いと思う。


いや、名乗っても良いというより俺自身、山田という名前にコンプレックスがあるし山田以外の名字に憧れているのだ。


田中とか鈴木とか平凡な名前じゃなくて画数が多くて希少価値があってカッコいい名字を名乗りたい…





5対5の少人数制で特殊な婚活パーティーが始まった。


「長曽我部(ちょうそかべ)です」
「三光院(さんこういん) です」
「五郎丸(ごろうまる) です」
「武者小路(むしゃのこうじ) です」
「一番合戦(いちばんかっせん) です」


「山田です」
「山田です」
「山田です」
「山田です」
「山田です」


5人の山田(男)と5人の珍しい名字の女性が集まった。

男性陣はなんと偶然にも全員が山田だった。
「どんだけ名字を改名したい山田がいるんだよっ」とツッコミたくなる。


名字を残す為。もしくは跡取りを求めている為に婿養子を探している女性。
そして結婚して名字を変えたい男性による婚活パーティーが開催されたのだ…





婚活パーティーを経て山田 哲也は結婚し一番合戦(いちばんかっせん) 哲也になった。


一番合戦 哲也が友人達と話している。


「俺は山田って良い名字だと思うけどなぁ…
婿養子になって今は一番合戦になったんだな」


「あぁ、後悔は無い。結婚して改名できて本当に満足している。

鼻毛、浮気(うきげ)、牛糞(うしくそ)、肥満と霊園も。
お前らだって人気の無い名字ランキングで上位を占めているんだ。
今の名字のままじゃ結婚するのは厳しいと思う。

俺が参加した婚活パーティーに参加してみたらどうだ?
需要と供給がマッチしてるんだ。
オススメするぜ」





教師 「お~い、山田。
テストの回答に変な妄想文を書くんじゃない」


山田(生徒)「先生 、例文を使って需要と供給を説明しました」