『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!

コントな文学『少なっ』

小学生の時、初めて食べたモスバーガーの美味しさに感動した場面が蘇った。


中学の時、放課後こっそり教室で片思い中の女子のイスに座って1人でドキドキしてた場面が蘇った。


高校時代、ルールは知らないけど将棋を題材にしたマンガにハマっていた。
夏休み中に将棋のルールを覚えようと思っていたけど、面倒なのと宿題に追われて諦めた夏休み最終日が蘇った。


高卒の社会人1年目。初任給を貰った日。
手取りが16万だった。
明細書を見て、総支給額から税金や保険料でこんなに引かれるのかと驚いた瞬間が蘇った。


二十歳の時。クレジットカードを作った。
初めてカードで支払いをした時、大人の仲間入りをした気がして嬉しかった瞬間が蘇った。


・・・少しずつ、視界が白くなっていく。


真っ白に広がる世界。


あれ?


え?


走馬灯、終わり?


少なっ。


内容薄っ。


22年。短かったとはいえ不慮の事故で幕を閉じる人生の走馬灯がこれだけなのか?


例えば、片思いが実って付き合って花火大会の帰りにファーストキスした場面とか、初任給で買ったプレゼントを両親に渡した場面とか、もっと走馬灯で見たいシーンが色々あったのにモスって…


来世は走馬灯で名場面集が見れますように。