『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!

コントな文学『覗き』

向かいのマンションにスタイルが良くて綺麗な顔立ちをしている美しい人が住んでいる。
同年代かな…年齢はまだ20代に見える。


1人暮らしをしていて帰宅すると身に付けてある物を全てを脱ぎ去り、いつも家の中では一糸纏わぬ姿で過ごしている。


覗き見している事がバレないように部屋を暗くしてカーテンの隙間から毎晩楽しませてもらっている。


そもそも何故、人は覗き見る事に興奮を覚えるのだろうか。


例えば男性が女性のパンチラ姿を見て興奮するのは、見られないように隠してあるパンティが幸運にも見えたからだ。


福袋然り。鶴の恩返し然り。
隠してある物は見たくなる。
隠されてある何かが見えた時に人は喜びと快感を得るのだ。


女性が原始時代から現代まで常におっぱい丸出しで生活をしていたら男性はおっぱいを見ても性的興奮はしないはずなのだ。


しかし覗きは決して許されない一線を越えた行為だ。

そんな許されない行為だからこそ覗きを楽しむ要素に背徳感とスリルもプラスアルファされてしまっている。

そして見たい衝動を抑えられない私は今夜も覗きを楽しんでいる。



ある日の夜、向かいのマンションに住む女性と目が合ってしまった。

女性は慌ててカーテンを閉めた。

女性は目が合った瞬間に心が奪われてしまう程に美しかった。

その日以降、女性の部屋のカーテンが開かれる事は無くなった。



いつも勝手に覗いて楽しませてもらって…
こんな事を言える立場じゃないんだけど…

やっぱり何か着てほしい。

せめてパンツだけでも履きなよって思う。
見たくない物まで毎回目に入っちゃうじゃん。それに風邪ひくよ(笑)



あの夜からずっとカーテンは閉められているけど、もしかしたらカーテンの隙間から見られているんじゃないかって妄想している。

あの夜、目が合ったのは偶然じゃなくて実は、見られていたのかもしれない。

もし覗かれていたとしたら…
凄く恥ずかしいけど、凄く興奮する…

また見てほしい。

もっと俺の全てを見てほしい。



まだ若いのに…

身長は180cm以上あるかも。
背が高くてスタイルが良くて…

そして美形なのに…

頭髪が薄くて少ないというギャップが堪らなく私を萌えさせる向かいのマンションに住むイケメンカツラ男クン。

決して誰にも見られたくないであろうカツラを取り外した姿を毎晩、覗き見て楽しむ私は本当に変態女だ。



まだ20代なのに、みっともなくて恥ずかしいからカツラを被って隠していたけど…


あの夜、カツラを外した頭も全裸の体も向かいのマンションに住む美しい女性に全てを見られて俺は興奮してしまった。


人から見られるのって悪くないじゃん。
むしろ快感じゃん。


だから思いきってスキンヘッドにしました!


スキンヘッドにしたら頭も心もスッキリしました。


人目を気にして隠していた事がとてもちっぽけな事だったと思う。

カツラを外してスキンヘッドにして街を歩くと本当に気持ちいい。

できれば服も脱ぎ捨てて全裸で街を走り回りたい変態男だ俺は。



あいつ急にスキンヘッドにしちゃった。

覗いて見たい物が無くなっちゃったじゃん。

何も隠してない男には一切興味が沸かないわ。

つまらなくなったけど、でもスキンヘッドは意外と似合ってるな。



今夜もあなたに全裸を見てほしくて、こちらはカーテン全開です。

頭も丸めて、ついでに全身脱毛もしました。
ツルツルに生まれ変わった美しくなった俺の全てを、あなたに見てほしい。


スキンヘッドにしてから思考や気持ちがポジティブで前向きになったと思う。
周りからも「明るくなったね」って言われるようになった。

「明るくなったって頭の事ですか?」と返すと
結構ウケた(笑)


コンプレックスを乗り越えて、変わるきっかけを与えてくれた向かいのマンションに住む美しい女性に是非、お礼を言いに行きたいけど迷惑になるからやめておこう。