『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家のブログ

コントな文学『ファーストキスだったのに』

コントな文学『ファーストキスだったのに』



大学のゼミの飲み会終わりの帰り道、突然唇を奪われた・・・ファーストキスだったのに。


ファーストキスだったのに、いきなり舌を入れられた。


ファーストキスだったのに、上の歯も下の歯も舐められた。 


ファーストキスだったのに、ダイソンの掃除機ばりの吸引力で舌を吸われた。


ファーストキスだったのに、何か視線を感じるから恐る恐る目を開けたら、キスしながら顔をガン見されていた。


ファーストキスだったのに、黒髪メガネで普段は地味で目立たないゼミの先輩から、酔って強引にキスされて僕は酒も女という生き物も怖いなと思った。


だって紗希先輩も、ファーストキスだったのに。


ファーストキスだったのに、紗希先輩は昨夜の記憶が無いって言っている…


ファーストキスだったのに。