『岩崎史奇のコントな文学』

 『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家のブログ

『今日も世界で誰かが嘘をついている。カレー編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。カレー編』 共に55歳を迎えて夫婦2人の時間が増えた。 子供達が皆、家を出て独り立ちしたからだ。 妻は以前よりも料理に力を入れるようになった。 特にカレーは手間と時間を掛けて作っている。 市販のルーは一切使わず…

コントな文学『島谷青葉はお父さんとお風呂に入っている』

コントな文学『島谷青葉はお父さんとお風呂に入っている』 島谷青葉は高校生なのに、まだお父さんと一緒にお風呂に入っているらしい… そんな噂を耳にしてから僕はクラスメイトの島谷さんの事を意識するようになった。 次第に僕の中で島谷さんの存在が大きく…

コントな文学『生きる』

コントな文学『生きる』 「次は3日後だね。淋しいけど、3日間だけ我慢しようね。え?どうしたの萌たん?何で泣くの?泣かないで、萌たん。そっかぁ…3日間だけじゃなかったね…3日も会えないから淋しくて泣いちゃったんだね。お願い、泣かないで萌たん」 彼氏…

コントな文学『ニューヨークへ行く理由』

コントな文学『ニューヨークへ行く理由』 地元を離れて人生を変えるという強い想いを燃料に努力を重ね、東京の一流大学に合格し俺は上京した。 大学卒業後は日本で5大総合商社に数えられる大手商社に就職した。 上京してから10年経った。 一度も地元には帰…

コントな文学『見て見ぬフリする事しかできなかった』

コントな文学『見て見ぬフリする事しかできなかった』 何でこんな所に、こんな物があるんだろう? 学校から帰ってくると通称『童貞を殺すセーター』がリビングに部屋干しされていた。 誰の? 何に使うの? 実際に着たの? 着用前の洗濯? 着用後の洗濯? 父…

コントな文学『もったいないおばけと夢見る若者』

コントな文学『もったいないおばけと夢見る若者』 はじめまして、もったいないおばけです。 お前、何で俺が現れたか分かるか? そうか、分からんかぁ… お前は身長190cmを超える恵まれた体格と、類まれなる才能を活かして160キロ台の速球を投げ、高校通算100…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。ギタリスト編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。ギタリスト編』 私は大学生で、同い年の伊藤君はフリーター。 私達は同じバイト先で知り合って仲良くなった。 2人でシフトを合わせてバイト終わりにご飯に行く約束をした。 お互いに好意がある事をお互いが分かっていた…

コントな文学『癒し動画』

コントな文学『癒し動画』 「この動画、癒されるなぁ…」 休みの日、いつも私は癒し動画を観て過ごしている。 仕事で毎日疲れているから本能的に癒しを求めているんだろうなぁ… でも、いつからだろう? 不倫、不正、不祥事。 やらかしてしまったタレント、政…

コントな文学『宇宙人にドMを理解させなさい』

コントな文学『宇宙人にドMを理解させなさい』 「ワレワレハ宇宙人だ」 宇宙人って本当に「ワレワレハ宇宙人だ」って言うのかぁ… なんて呑気な事を言ってる場合じゃない。 俺は今、宇宙人に連れ去られてUFOの中にいる。 「ワレワレハ友好関係を結ぶ為、密か…

コントな文学『Z世代からの提言』

コントな文学『Z世代からの提言』 「老害ですね」 「考え方が古い人達です」 「世間とズレてる感じがします」 「上から目線がウザい」 「話が長い」 「話が回りくどい」 「若者に対して批判的だと思う」 「くしゃみが大きくてうるさい」 「加齢臭なのかなぁ…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。バンクシー編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。バンクシー編』 バンクシー? 海外の有名なストリートアーティスト? 路上で画を書いてる人なんですか? 路上で画を書いてる有名人と言えば・・・ 日本人で言えば、裸の大将の山下清みたいな事でしょ? もちろん知って…

コントな文学『キラーフレーズ一発で僕は…』

コントな文学『キラーフレーズ一発で僕は…』 「佐伯くん、好きです。私と付き合って下さい」 僕に告白してきたのは同じ大学に通う丸山さんだ。 丸山さん、性格とスタイルは良さそうだけど… 地味だし暗そうだし、見た目も好みじゃないから、悪いけど今まで女…

コントな文学『心が泣いている』

コントな文学『心が泣いている』 この店の大盛りって、こんなに大盛りなのか… 特盛りを頼まなかったのは不幸中の幸いだった。 俺は、つけ麺の大盛りを頼んで、大盛り分を丸々残してしまった。 だってこんなに大盛りなんて思わなかったからさ。 悔しいなぁ… …

コントな文学『金持ち喧嘩せずみたいな事?』

コントな文学『金持ち喧嘩せずみたいな事?』 「男が唯一身に付けて良いアクセサリーって腕時計だと思うんだよ」 30歳を迎える年齢で開催された高校の同窓会で100万円超えの腕時計を自慢する同級生。 自分自身に値打ちを見出だせない薄っぺらい男に限って金…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。人魚編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。人魚編』 「人魚って実在したんですね」 「驚いた?」 「驚きました。まさか海水浴に来て人魚に遭遇するなんて思わなかった。会えて嬉しいです」 「無理しなくていいよ」 「無理してないです」 「ガッカリしたんじゃな…

コントな文学『ギャップに弱いマコト♂』

コントな文学『ギャップに弱いマコト♂其の一』 え? 代々、医者の家系で? 大学病院勤務の美人女医なのに? 過去には国境なき医師団として海外で医療援助した経験まであって? 全力でコマネチしてる写真がアイコン!? しかも北野武監督の映画は全部観てるん…

『ユニコーンの角に触ってみたヤツに対するネット民の声』

コントな文学『ユニコーンの角に触ってみたヤツに対するネット民の声』 俺も触りた〜い 冷んやりしてそう 先端恐怖症のワイには無理 角触ったら怒りそう ユニコーンって実在したんだ どこにユニコーンいたんだ? ラクダのコブに触るみたいな事だな レア度が…

『両親のSMプレイを見てしまった中3女子に対するネット民の声』

コントな文学『両親のSMプレイを見てしまった中3女子に対するネット民の声』 トラウマになるレベルだな ウケるw 親のそっち系はマジで見たくない せめて両親のノーマルの営みを目撃してほしかった しばらくは親の目を見て話せないだろうな お母さんと呼ぼ…

『いつか後悔する事は分かっている』

コントな文学『いつか後悔する事は分かっている』 同棲中の彼女は料理ができない。 冷凍、インスタント、レトルト食品だけで満足できるタイプだから、そもそも料理を覚える気も無い。 掃除も片付けもしない。 散らかっていても汚くても気にならないらしく、…

コントな文学『少なっ』

小学生の時、初めて食べたモスバーガーの美味しさに感動した場面が蘇った。 中学の時、放課後こっそり教室で片思い中の女子のイスに座って1人でドキドキしてた場面が蘇った。 高校時代、ルールは知らないけど将棋を題材にしたマンガにハマっていた。 夏休み…

『伏線未回収』

みんなスルーしてるけど、桃太郎って、どうして川から大きな桃が流れてきたのか、どうして桃から桃太郎が生まれたのか、伏線回収してないよね?桃太郎はまだ『第一部完』状態なので伏線回収していく第二部の展開を空想してみよう… * 鬼ヶ島から帰って3年。…

コントな文学『親子』

夜間の定時制高校に入学した頃から反抗期が始まった。俺は親父や他の奴らみたいに陰気臭い生き方をするつまらない大人にはなりたくなかった。 そして何よりも普通が嫌だった。 普通とは違う特別な存在になりたかった。 いつか必ず何者かになれるという思春期…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。僕達の幸せ編』

コントな文学『今日も世界で誰かが嘘をついている。僕達の幸せ編』 僕達から争いを失くす為に必要な事って何だろう?僕達が幸せになる為には何が必要だろう?僕が導き出した答えは『嘘』だった。 * 「今日も綺麗だね」 「いつも美味しい料理を作ってくれて…

コントな文学『もったいないおばけとチンピラ』

コントな文学『もったいないおばけとチンピラ』 はじめまして、もったいないおばけです。 お前、何で俺が現れたか分かるか? そうか、分からんかぁ… お前、さっきコンビニでウイダーinゼリーと水を買ったやろ? チンピラのヤクザが10年ぶりに刑務所から出所…

『合法的な露出狂』

コントな文学『合法的な露出狂』 花粉症シーズンの季節はマスクを付けていても違和感が無いから過ごしやすい。 ワタシは夜桜を楽しみながら夜道を1人で歩いていた。 すると目の前にトレンチコートを着た中年男性が現れた。 男は笑みを浮かべて両手でトレンチ…

『火星人の為のHow To 地球の文化・アンコールって何?』

〘火星人の為のHow To 地球の文化・アンコールって何?〙 「バンドを組んで目標にしていた日本武道館。 みんなのおかげで今日、俺達の夢が叶いました。 本当にありがとう。 初の武道館LIVE、次が最後の曲になります。 聴いてください… The青春Forever」 この…

『これだからクラスメイトの男子を家に入れたくないんだよ』

コントな文学『これだからクラスメイトの男子を家に入れたくないんだよ』 「ミサのパパって何才なの? マジで?45才なんだ。 見た目若いし、知性的だし、清潔感あるし、身長高いし、イケオジだ。 私のパパもミサのパパみたいだったら良かったのになぁ…」 こ…

『俺VS大谷翔平』

ルックス、身長、運動能力、筋力、人気、知名度、爽やかさ、収入、人間性… 男としても人間としても、思い付く限りあらゆる分野で俺は大谷翔平には敵わない。 戦う前からコールド負けだ。 何か一つでも大谷翔平に勝てる事は無いだろうか? ・・・そうだ! 「…

天国からモテ期地獄

コントな文学『天国からモテ期地獄』 人見知りの陰キャで自分に自信が持てなかった学生時代。 バレンタインチョコをもらった事なんて一度も無くて彼女いない歴だけが毎年更新されていた。 そんな俺が女性と初めてお付き合いしたのは社会人3年目の時だ。 相手…

日本一のサッカー選手の秘密の夢

コントな文学『日本一のサッカー選手の秘密の夢』 子供の頃からの夢が叶ってJリーガーになった俺は高卒ルーキーのプロ1年目からJリーグ得点王とアシスト王に輝いた。 そしてオリンピック日本代表メンバーにも選出され日本サッカー史上初の金メダルを獲得し…